はじめに

就職活動での志望動機に不安を感じている方が増えています。
自分の想いをしっかりと企業に伝えられるよう、効果的な志望動機の作り方を説明します。
この記事では、志望動機の作成で困っている学生に向けて、採用担当者に伝わる進め方を見ていきましょう。
企業の採用担当者に好印象を与えられる志望動機の構成や重要なポイントを具体的に紹介していきます。
エントリーシートで志望動機を確認する企業の目的は?
志望動機は面接で必ず聞かれる質問です。
企業が志望動機を確認するには、明確な理由があります。
ここでは、企業が志望動機を確認する理由について解説していきます。
就活生の入社意欲を確かめるため
1つ目は、就活生の入社意欲を確認するためです。
新卒採用の場合、採用のポイントは仕事に対してどれだけ意欲的かです。
採用活動には膨大なコストと時間がかかっているため、企業側は自社で長く働いてくれる人材を求めています。
そのため、特に第一志望の企業の面接であった場合は、自分の考えをしっかりと伝えるようにしましょう。
就活生の個性や人柄を理解するため
2つ目は、就活生の個性や人柄を理解するためです。
企業は志望動機を聞くことで個性や人柄もチェックしています。
仕事に対する適性があっても、早期離職する可能性のある人材は企業にとってリスクになるためです。
そのため、応募者がどのような考えを持ち、応募してきたかを見極めているのです。
就活生の業務適性やポテンシャルを確かめるため
理由の3つ目は、就活生のポテンシャルを確認するためです。
新卒採用では、就活生のポテンシャルが重視されます。
企業は志望動機から自社で活躍できる人材なのかを見極めています。
エントリーシートと面接で求められるポイントの違い
エントリーシートと面接では評価のポイントが異なります。
ここでは、ESと面接でそれぞれ求められる点の違いについて解説します。
ESで求められるポイント
エントリーシートでは、志望動機を通じて応募者の基本的な適性や企業とのマッチ度を確認します。主に以下の点が重視されます。
- ◆企業や業界への理解度
- 企業の事業内容、業界の動向、競合との差別化ポイントを正しく把握しているかをチェックされます。
- ◆一貫性のある志望理由
- 応募者の価値観や経験が企業の理念や事業にどのように結びついているかが重要視されます。
- ◆簡潔で論理的な文章力
- 限られた文字数の中で、志望理由を明確に説明できるかが見られます。
結論から述べる PREP法(Point → Reason → Example → Point) や STAR法(Situation → Task → Action → Result) を活用すると、読みやすく、伝わりやすい文章になります。
面接で深掘られるポイント
面接では、エントリーシートに書かれた志望動機をさらに詳しく掘り下げ、応募者の本質的な考えや入社意欲を評価します。
以下の点が特に重視されます。
- ◆志望動機の具体性と説得力
- どのような経験や価値観が、企業への志望に繋がっているのかを具体的なエピソードを交えて説明できるかが問われます。
- ◆入社後のキャリアビジョン
- 企業でどのように成長し、どのような貢献をしたいのか、将来の展望についての考えが明確かどうかが確認されます。
- ◆一貫性と本音
- 面接官はESに書かれた内容と面接での発言の整合性をチェックします。
表面的な志望動機ではなく、応募者自身の価値観や強みが自然に表れているかが重要視されます。
エントリーシートに志望動機を書くための事前準備
志望動機は、企業が就活生を判断するための重要な材料です。
採用担当者に響く良い志望動機を作成するには事前準備が欠かせません。
この章では、志望動機を書き始める前にやっておくべき準備を解説していきます。
自己分析
事前準備1つ目は、自己分析です。
自己分析すると、自分のやりたいことや価値観などが明確になります。
この時、自分にとって大切だと考えた経緯やエピソードもまとめておきましょう。
発言の根拠を明確にすることで説得力のある志望動機になります。
自己分析する前に企業が何を知りたいのかを把握しておくのも重要です。
企業は主に以下のポイントを見ています。
- ・コミュニケーション能力
- ・仕事や夢への意欲
- ・誠実さ
- ・責任感
上記の4つのポイントと合わせて自分の特性を言語化できるようにしていきましょう。
自己PRを作成するためには、自己分析は欠かせません。
自己分析するポイントを押さえたうえで、以下の記事もチェックしてみましょう。
【魅力的な自己PRの書き方とは?】例文を使ってコツを徹底解説!
企業研究
説得力のある志望動機を作成するには、志望企業についての深い理解が必要です。
採用担当者は、数ある企業の中からなぜ自社を選んだのか、その理由を知りたいと考えています。
企業の特徴や事業内容を詳しく理解することで、自分が企業に対してどう活躍できる人材なのかが明確になります。
丁寧に企業研究することで、以下の点が明らかになっていくでしょう。
- ・企業の強みと独自性
- ・自分のスキルが活かせるシーン
- ・企業の持つ課題と解決への貢献方法
このように企業への理解を深めていくことで、自分らしい活躍のイメージを具体的に書けるようになります。
その結果、採用担当者の心に響く志望動機を書けるようになっていくでしょう。
以下では、業界ごとの志望動機のポイントを紹介します。
コンサルティング業界
コンサル業界は、クライアントの課題解決を支援する業界であり、論理的思考力・問題解決力・クライアント対応力 が求められます。
【志望動機のポイント】
- ◆課題解決への意欲を示す
- → 例:「貴社の戦略コンサルティングに魅力を感じ、企業の経営課題を解決する力を身につけたい。」
- ◆論理的思考力を活かした経験を述べる
- → 例:「大学のゼミで企業分析を行い、データを基に○○の改善策を提案した経験があります。」
- ◆多様な業界に携わりたい意欲を示す
- → 例:「貴社のプロジェクト実績を拝見し、幅広い業界で経験を積みながら成長したいと考えました。」
IT業界
IT業界は、技術革新とスピード感のある環境 であり、プログラミングスキルや課題解決能力、プロジェクト推進力が求められます。
【志望動機のポイント】
- ◆技術や最新トレンドへの興味を示す
- → 例:「AI技術の進化に強い関心があり、貴社の○○プロジェクトに携わりたい。」
- ◆実務経験やスキルを活かす意欲を伝える
- → 例:「大学時代に○○を開発し、貴社の○○事業で技術を活かしたい。」
- ◆事業の成長性や市場影響力に着目する
- → 例:「貴社のDX推進事業に共感し、日本企業のデジタル化に貢献したい。」
金融業界
銀行・証券・保険などの金融業界では、分析力・リスク管理・顧客対応 などが重要視されます。
【志望動機のポイント】
- ◆金融の専門知識と市場理解を示す
- → 例:「金融市場の変動に関心があり、貴社の資産運用サービスでお客様の利益を最大化したい。」
- ◆数字やデータに基づく論理的思考力をアピール
- → 例:「経済学部での研究を通じ、リスク管理の重要性を学び、貴社の業務に活かしたい。」
- ◆顧客との信頼関係構築への意欲を示す
- → 例:「金融を通じて個人・法人の成長を支援し、貴社の顧客満足度向上に貢献したい。」
大手企業とベンチャー企業の志望動機のポイント
企業の規模によって、求められる適性や仕事のスタイルが大きく異なります。
「安定性・規模感」を重視する大手企業と、「挑戦・スピード感」を重視するベンチャー企業」では、志望動機のポイントが変わります。
大手企業の志望動機
大手企業は、組織の一員としての適応力や、長期的な成長を見据えたキャリアプラン を重視します。
【志望動機のポイント】
- ◆企業のブランドや影響力に共感を示す
- → 例:「貴社の○○事業が業界に与える影響力に魅力を感じ、社会貢献できる環境で成長したい。」
- ◆安定した環境で専門性を磨く意欲を示す
- → 例:「貴社の研修制度を活用し、○○分野の専門知識を深め、長期的にキャリアを築きたい。」
- ◆グローバル展開やスケールの大きさに魅力を感じる
- → 例:「貴社の海外展開に関心があり、将来的には○○地域での事業拡大に貢献したい。」
ベンチャー企業の志望動機
ベンチャー企業は、スピード感のある環境での挑戦意欲や、柔軟な思考・行動力 を重視します。
【志望動機のポイント】
- ◆成長環境や裁量の大きさを魅力に感じる
- → 例:「貴社のフラットな組織文化のもとで、若手のうちから裁量を持って働きたい。」
- ◆スピード感のある意思決定や挑戦に意欲を持つ
- → 例:「新規事業の立ち上げに関心があり、貴社でゼロから事業を創る経験を積みたい。」
- ◆組織の成長と自身の成長をリンクさせる
- → 例:「貴社の○○事業の拡大に貢献しながら、自らも成長していきたい。」
業界や企業の特徴を理解し、自分の経験や価値観と結びつけることで、より説得力のある志望動機を作成できます。
企業研究を深めたうえで、自分に合った志望動機を作りましょう。
就職活動の軸や価値観を整理
信頼される志望動機を作るには、就職活動における核となる考えを決めることが重要です。
企業ごとに志望動機は変わりますが、自分の価値観や大切にしている信念が変わることはないでしょう。
これまでの人生で成長した価値観や譲れない想いをしっかりと整理していきましょう。
以下のポイントを整理することで、軸のある志望動機を作れるようになるでしょう。
- ・頑張って実現したい目標
- ・働く上で大切にしたい考え方
- ・キャリアにおける優先事項
このように自分の軸を明確にすることで、一貫性のある説得力を持った志望動機を作り上げられます。
自己PRと志望動機の違いを解説
就職活動において、「自己PR」と「志望動機」はどちらも重要な項目ですが、それぞれ目的やアピールする内容が異なります。
以下で、それぞれの違いを詳しく解説します。
自己PRとは?
自己PRは、自分の強みやスキルを企業にアピールするためのものです。
過去の経験や具体的なエピソードをもとに、自分の長所を証明し、企業に貢献できることを伝えます。
【求められるポイント】
- 強みやスキルが明確であること
- → 例:「私は課題解決力に自信があります。」
- 具体的なエピソードがあること(経験に基づく証拠)
- → 例:「大学時代、イベント運営のリーダーを務め、チームの意見をまとめながら円滑に進行しました。」
- その強みを企業でどう活かせるか示すこと
- → 例:「貴社の○○事業において、チームで成果を出す力を発揮し、業務を円滑に進めることに貢献したいです。」
- 例文(PREP法)
- (結論) 私の強みは、チームをまとめ、目標達成に向けて行動する力です。
- (理由) 大学時代、ゼミでプロジェクトリーダーを務め、チームを牽引しました。
- (具体例) メンバー間の意見の相違がありましたが、それぞれの意見を整理し、共通点を見つけながらまとめることで、企画を成功に導きました。
- (結論) この経験を活かし、貴社でもチームワークを発揮して成果を上げていきたいと考えています。
志望動機とは?
志望動機は、「なぜその企業を選んだのか?」を伝えるためのものです。
企業の理念や事業内容に共感し、自分の価値観やキャリアビジョンと合致していることを示す必要があります。
【求められるポイント】
- 企業への興味・共感が伝わること
- → 例:「貴社の『○○』という理念に共感しました。」
- 自分の経験や価値観と結びついていること
- → 例:「学生時代に○○の活動をしており、貴社の○○事業に強い関心を持ちました。」
- 入社後のキャリアビジョンが明確であること
- → 例:「将来的には、○○の分野で活躍し、貴社の事業成長に貢献したいと考えています。」
- 例文(STAR法)
- (状況) 大学時代にインターンシップで○○業界の課題解決に携わりました。
- (課題) 企業の○○分野の重要性を知り、より深く関わりたいと考えるようになりました。
- (行動) その中で、貴社の○○事業が業界の課題解決に大きく貢献していることを知り、共感しました。
- (結果) 私の○○のスキルを活かし、貴社の○○部門で成長しながら貢献したいと考えています。
エントリーシートに志望動機を書く際の4つのポイント
志望動機は基本構成に沿って書くのがおすすめです。
志望動機の構成は、以下の通りです。
- ①将来のビジョン
- ▼
- ②①のきっかけとなった経験
- ▼
- ③志望企業ではならない理由
- ▼
- ④入社したらやりたいこと
ここでは、志望動機作成の基本的な流れに沿って、4つのポイントを紹介します。
将来の目標やビジョンは明確にする
説得力のある志望動機を作る最初のポイントは、キャリアビジョンを明確に示すことです。
描く理想像や目標を具体的に伝えることで、仕事への意欲が強くなります。
目標に向かって前向きに取り組む姿勢は、採用担当者に好印象を与えます。
ただし、志望動機を作成する際には以下の点に注意が必要です。
- ・思い描くビジョンと企業の方向性の一致
- ・企業の事業領域での実現可能性
- ・目標達成までの具体的なステップ
このように、自分の描くビジョンと企業で実現できることの整合性を確認することで、実現性の高い志望動機を作れるでしょう。
目標やビジョンを決めたきっかけや経験談で説得力を持たせる
印象に残る志望動機を作るには、自分の思いの原点となった経験を伝えることが大切です。
具体的な経験に基づいたリアリティのある志望動機は、採用担当者の心に強く響きます。
将来の目標を考えるだけでなく、その想いが芽生えた出来事や場面を詳しく説明していきましょう。
志望動機に説得力を持たせるポイントは以下の通りです。
- ・転機となった具体的な体験
- ・その経験から学んだこと
- ・企業で活かせる気づきや学び
このように、自分の考えの背景にある実体験を織り交ぜることで、採用担当者の共感を得られる動機になります。
応募企業である必要性を書いてアピールする
採用担当者が最も知りたいのは、なぜ自分の企業を選んだのかという具体的な理由です。
志望動機には、以下の要素を含めることが効果的です。
- ・企業独自の強みと自分の価値観の一致点
- ・その企業でしか得られない成長機会
- ・企業の課題に対する具体的な貢献ソリューション
例えば「御社の技術デジタルを活用した教育支援は、私が目指す教育の問題の解消に直結するため」といった形で、企業の特徴と自分の目標を具体的に説明することで、相手に伝わりやすい志望動機になります。
入社後に取り組みたい仕事で働くイメージを伝える
説得力のある志望動機には、入社後の具体的な働き方のビジョンを描くことが重要です。
採用担当者は、応募者が組織でどのように活躍できるのかをイメージしたいと考えています。
そのため、入社後の具体的な目標と成長計画を明確に示すことが大切です。
働くイメージを効果的に伝えるポイントは以下の通りです。
- ・入社直後の具体的な目標
- ・基本業務の習得への研究
- ・3年後、5年後の具体的なキャリアプラン
- ・チームへの貢献方法
「入社1年目は商品知識の習得に向けて、3年目までは自社製品のスペシャリストとして顧客提案ができるようになりたい」といった具体的な目標設定が効果的です。
このように段階的な成長計画を示すことで、実現性の高い志望動機になります。
エントリーシートの志望動機4つの見直しポイント
この章では、作成した志望動機の見直しポイントを4つ紹介します。
見直しのポイントを押さえることで志望動機の質も上がります。
指定の書式や文字数は確実に守る
見直しポイントの1つ目は、指定文字数や書式が守られていることです。
エントリーシートでは、指定文字数や書式が指定されている場合があります。
その場合、指定された書式や文字制限を厳守することが求められます。
このルールが守れていないと、採用担当者にもマイナスポイントとして映ってしまいます。
【NG例文を紹介】
- 例文1:文字数が不足している
- 「私は貴社の○○事業に興味があり、志望しました。」(20字)
- → 文字数が極端に少なく、動機が不明確。何に魅力を感じたのか伝わらない。
- 例文2:(文字数を超えてしまう)
- 「私は、貴社の掲げる〇〇というビジョンに共感し、大学時代の△△の経験を活かして活躍したいと考えています。特に□□の業務に興味があり、将来的には~~…(500字の指定を超過)」
- → 長すぎると、採用担当者が最後まで読まずに流してしまう可能性がある。
【改善策】
- ・文字数の範囲を確認し、適切な長さに収める。(例:300字指定なら280~300字にする)
- ・重要なポイントを整理し、冗長な表現を避ける
- ・簡潔に伝えつつも、伝えたい要点が網羅されるように調整する
改善例文(文字数を守った場合)
「私は、貴社の『〇〇を通じて社会貢献する』という理念に共感し、志望いたしました。大学時代には△△の活動を通じて〇〇の分野に興味を持ち、□□の経験を積みました。貴社ではその経験を活かし、□□の業務に携わりながら、将来的には〇〇に貢献できる人材になりたいと考えています。」(295字)
数値を盛り込んで具体性を上げる
ポイント2つ目は、数値が盛り込まれているかです。
数値を盛り込むと、志望動機に説得力を持たせられるので、採用担当者の理解を深めることにつながります。
また、数値は誰が見ても同じ解釈を得られるのもメリットです。
エントリーシートなどの応募書類は自分のアピールの場なので、情報を正しく伝えることが重要です。
【NG例文を紹介】
- 例文1:数値がない
- 「私はアルバイト先で売上向上に貢献しました。」
- → 売上がどの程度向上したのか不明で、成果が伝わらない。
【改善策】
- ・具体的なデータ(売上、期間、成績向上率など)を盛り込む
- ・数値を入れることで、業務への貢献度を明確に示す
改善例文(数値を追加)
「私はアルバイト先で、スタッフの業務効率化を図り、1日の売上を15%向上させました。具体的には、ピーク時のオペレーション改善に取り組み、提供時間を平均30秒短縮することで、回転率を向上させました。」
エピソードで理由付けをする
ポイント3つ目は、エピソードで理由付けができていることです。
志望動機を書く際には自分の考えに対して、根拠となる経験やエピソードを付け加えることが重要です。
経験やエピソードを盛り込むことで説得力が高まり、企業へのアピールにつながります。
【NG例文を紹介】
- 例文1:エピソードがない
- 「私は貴社の挑戦を重視する社風に魅力を感じ、志望いたしました。」
- → どの部分に魅力を感じたのか、具体的な理由がないため説得力がない。
改善策
- ・PREP法(結論→理由→具体例→再結論)を活用する
- ・自身の経験を交え、「なぜその企業を志望するのか」を明確にする
改善例文(エピソードを追加)
「私は、貴社の『〇〇を重視する社風』に魅力を感じ、志望いたしました。大学時代、○○の活動を行い、□□のスキルを身につけました。その経験から、貴社の〇〇事業で△△に貢献できると確信しています。」
第3者に客観的に見てもらう
志望動機を考える際には、他者からの客観的な視点を取り入れることが大切です。
身近な人にチェックしてもらうことで、新たな気づきが生まれます。
自分では気づけない改善点やより効果的な伝え方のアドバイスを得られる可能性があります。
評価をもらう際のポイントは以下の通りです。
- ・文章がわかりやすいか
- ・内容に一貫性があるか
- ・企業側の視点に立っているか
- ・影響力のある構成になっているか
このように第三者の意見を参考にすることで、採用担当者により伝わりやすい動機に仕上げられます。
大学の就職支援センターのキャリアアドバイザーや、社会人の先輩に相談するのも効果的です。
【NG例文を紹介】
- 例文1:客観性が欠ける
- 「私はリーダーシップがあり、チームをまとめる力があります。」
- → 客観的な根拠やエピソードがなく、説得力に欠ける。
改善策
- ・キャリアアドバイザーや社会人の先輩に添削を依頼する
- ・「読み手に伝わるか」を意識し、わかりやすい文章に修正する
- ・業界の知見がある人に見てもらい、企業目線でのフィードバックを得る
改善例文(客観的視点を取り入れる)
「私は、大学のゼミ活動でチームのリーダーを務め、〇〇のプロジェクトを成功に導きました。その結果、ゼミの発表コンペで全15チーム中1位を獲得し、教授からも評価をいただきました。」
志望動機をワンランク上げる3つのポイント
頑張って書いたエントリーシートも、採用担当者の目に留まらなければ意味がありません。
関心を引くエントリーシートにするためには、ちょっとした工夫が必要です。
ここでは、エントリーシートの志望動機をワンランクアップさせる3つのコツを紹介します。
書き出しの表現で差をつける
魅力的な志望動機を作るための重要なポイントは、印象的な書き方を工夫することです。
インパクトのある文章は、採用担当者の記憶に残りやすい効果があります。
効果的な例を具体的にご紹介します。
- ・心に残った人物との出会い
- ・人生を変えた体験
- ・業界への関心が芽生えた瞬間
このように、ならではの体験や想いから書き始めることで、他の応募者との違いを明確に示せるでしょう。
心理学研究でも、最初の印象が後の評価に大きく影響することが実証されています。
エピソードで自分を知ってもらう
志望動機を魅力的にするには、印象に残るエピソードを効果的に活用することが大切です。
具体的な経験談、自分の人柄や価値観を伝えることが重要です。採用担当者は、数値や実績だけでなく、その人がどのような考えを持ち、どう行動するのかに関心を持っています。
例えば、「アルバイト先で接客中にお客様満足の本質」のような経験を語ることで、自分の仕事への姿勢や考え方が伝わってきます。
このように、自分らしさが伝わるエピソードを選んで描写することで、印象深い動機を作るきっかけになるでしょう。
具体的なキャリアビジョンで活躍するイメージを与える
採用担当者が納得するような志望動機には、具体的な将来像を描くことが重要です。
入社後のキャリアプランを明確に示すことで、自分の可能性を評価してもらえます。
企業が求めているのは、組織の中で成長し、活躍できる人材です。
効果的なキャリアビジョンの構築には、「入社1年目の目標設定」や「3年後の具体的な成長イメージ」などのビジョンを考えておくことです。
このようなビジョンを描くためには、以下の準備が必要です。
- ・企業の将来性と成長戦略の理解
- ・自分の強みと成長機会の分析
- ・業界動向の把握
- ・具体的な数値目標の設定
意識的な企業研究と自己分析することで、実現性の高いキャリアビジョンを描けるようになるでしょう。
そして、それを志望動機に反映させることで、採用担当者に自分の将来性を印象づけられます。
エントリーシートの志望動機の例文を動機別に紹介
ここまでは、志望動機の基本構成に沿って書き方や見直しポイントについて紹介してきました。
しかし、完成イメージが湧かない状態で書き出すのは難しいでしょう。
そこで、ここからは志望理由別に4つの例文を紹介します。
現在までに作成した志望動機と見比べてみましょう。
企業理念の場合
私は、「お客様の声を大切にする」という御社の企業理念に深く共感し、志望いたしました。
大学2年生から2年間、飲食店でのアルバイトを経験し、週に約50名のお客様と接していました。
その中で、ある日、お客様から「料理が冷めている」とクレームをいただき、非常に悔しい思いをしました。
しかし、同じミスを繰り返さないよう、スタッフ間で注文確認のルールを徹底し、料理提供のスピードを平均5分短縮する取り組みを行いました。
その結果、1ヶ月後には、お客様からの「料理の提供が遅い」というクレームが20%減少し、「迅速な対応が嬉しい」とのポジティブなフィードバックをいただくようになりました。
この経験を通じて、クレームは顧客満足度を高めるための貴重な意見であることを実感しました。
御社に入社した際には、アルバイトで学んだ迅速な対応力と顧客視点を活かし、お客様の声をサービス改善に反映し、より快適な空間づくりに貢献したいと考えております。
仕事内容の場合
私は、宅食サービスを通して1人でも多くの人の生活をサポートしたいという思いから御社を志望いたします。
食材の配達を担う御社は、他の企業にはない独自の一人暮らし向けサービスを提供しています。
同じ一人暮らしでも年齢によって必要な食材量は違うため、顧客に合せた食材量を届けるサービスを通じて、幅広い年代の方が安心して利用できるサービスを提供したいと考えました。
御社に入社した後は、大学時代の接客のアルバイトで身につけたコミュニケーション力を活かし、まずは現場でお客様の要望を丁寧に聞き取り、2年後にはお客様の声を反映する部署でサービス向上に携わっていきたいと考えています。
企業の社風や社員の魅力の場合
私は社員が学ぶ機会を確保し、視野を広げるという御社の社風に共感し、志望いたしました。
私は学生時代に資格取得に力を入れて取り組んできました。
学外で同じように目標に向かって頑張っている方たちと出会い、自分の学習だけでなく色んな新しい分野に触れ、自分自身の視野が広がりました。
視野が広がったことで自分だけでなく、他人への理解や配慮が身についたと感じています。
業務は違っていても、年齢問わず新しい分野に出会う機会を作ることで個人の視野を広げ、御社の発展に少しでも活かせたらと考えています。
企業が提供する商品・サービスの場合
私は、顧客の声を反映できるマーケティングの仕事に魅力を感じ、応募いたしました。
大学では、マーケティングを学び、実際に企業が商品を提供するまでのプロセスについても学びました。
商品発売まで何度も試行錯誤し、顧客の声を集めては改良を繰り返す、お客様ファーストな姿勢に、感動したのを覚えています。
入社後は、分析に関する知識を身につけ、お客様に喜んでもらえる商品提供に貢献したいと考えています。
以下の記事では、エントリーシートで頻出されるガクチカや自己PRといった質問とその回答例を紹介しています。
エントリーシート作成の練習になりますので、一度はチェックしておきましょう。
エントリーシートに書く志望動機が思いつかない時は?
就職活動を進めるなかで、ときには志望動機につまずくこともあるでしょう。
最後は、志望動機が作れないときの2つの対処法について紹介します。
企業に魅力を感じたポイントを深掘りする
対処法の1つ目は、企業のどこに魅力を感じたのかを深掘りすることです。
社風、企業の商品、企業理念、教育制度など魅力を感じるポイントはそれぞれあります。
魅力を感じたポイントがわかったら、あとはなぜを繰り返すだけです。
この時、自身の経験やエピソードに基づいて深掘りすることを忘れないでください。
過去の自分を振り返る
対処法の2つ目は、過去の自分を振り返ることです。
自身の経験を振り返り、業務内容から自分の好きなことと結びつけます。
企業がまだ取り組んでいない業務でも、自分の経験を活かして実現可能なアイデアであれば、そのエピソードと共に「こんな取り組みをしたい」と提案するのも効果的です。
まとめ
志望動機を書くことに不安を感じている方には、入念な下準備から始めることをおすすめします。
魅力的な志望動機を作成するには、自己分析と企業研究を丁寧に行うことが大切です。
特に自分の強みと企業の特徴を結ぶことで、独自性のある動機が完成します。
エントリーシートの志望動機は、採用担当者があなたを知るための重要な情報源となります。
これは単純な審査項目ではなく、以下のような機会としてとらえましょう。
- ・自分の魅力を伝えるチャンス
- ・企業との相性を示す機会
- ・キャリアビジョンを共有する場
志望動機は、自分の可能性を広げるための重要なツールです。
より効果的なエントリーシートの作成方法については、関連記事もぜひ参考にしてみてください。
以下の記事も参考にすることで、採用担当者の心に響く志望動機を書けるようになるでしょう。
早期内定者は知っている!採用担当者が釘付けになるエントリーシートの書き方とは!?