25 年卒
男性
シンクタンク・コンサルタントとして取り組んでみたいこと
タイトル:「農業を軸とする着地型観光の展開(仮題)」
私がシンクタンクとして取り組みたいことは、条件不利地域において観光の視点を取り入れた農業振興である。特に私がゼミ活動にて着地型観光の成功要因の把握を行ってきたことから、地域住民が主体となり農業資源を軸とする地域資源の発信を行うことに興味を持っている。農業分野の社会課題として、平野部では食糧安全保障を高め継続的な農業振興が行えるよう、農地の集約化による効率を図ることができる一方で、条件不利地域においては地理的な条件や人手不足の観点からそうした効率化を図ることが難しいことであると考える。つまりそのような地域にて継続的な農業振興を図っていくためには、着地型観光の考え方を活かしながら、関係人口を増加させる施策を行い販路の拡大やリピーターに繋げていくこと、また農作物に付加価値を創出した上で高所得者へ向けた販路の開拓を行っていく必要があると考える。このことを踏まえ、具体的に子ども農山漁村交流プロジェクトの展開、及び有機栽培・伝統栽培を軸とした農作物の付加価値の創出に取り組みたい。
まず、子ども農山漁村交流プロジェクトについて、本プロジェクトの受け入れ側を中心に支援を行う環境省の指針と照らし合わせて生物多様性を意識した教育・体験プログラムを開発していきたい。単なる田植えや収穫などの一つのコンテンツを目玉とする教育旅行に終わらせるのではなく、二次的自然を意識したコンテンツごとのつながりを意識した取り組みが必要だ。例えば水田において、水田が生物の生息空間として機能し、それによってこのような取り組みを図ることで地域性を保全していくとともに継続的な活動展開が期待できると考える。
次に有機栽培を軸とした農作物の付加価値の創出に関して、農林水産省による『みどりの食料システム戦略』やそれを踏まえた各自治体による『オーガニック・ヴィレッジ宣言』といった有機栽培に対する社会的な認知の高まりを踏まえ事業を展開していくとともに、伝統農法を取り入れることで対象地域の地域性を表出させ、他地域との差別化を図っていきたいと考える。また、有機栽培は慣行農法と比べ手間や費用の問題から小規模な圃場展開が多く、収穫量が減少する傾向にあるため、地域商社を立ち上げることによって飲食店などターゲット層を絞り販路を開拓していく視点を持つことや加工も担っていくことで6次産業化を図り、地域の収益増加と持続性を確保していく体制が必要ではないだろうか。
従って、主にこれらの2つの取り組みを通して条件不利地域にあっても行政の基本計画に沿いながら地域特性にあった展開を図り、持続可能な地域づくりを行っていきたい。その際に特に、農業・観光等を基軸とした地域活性化を行う貴社において、行政の基本計画にとどまらず行動していく姿勢に沿い、コンサルタントとして持続可能な地域づくりに関わりたいと考える。