研究内容(※ 研究のプロセスやねらいとする事柄を平易にまとめてください/400 字)
私の研究は、○○船「△△」の最適航路シミュレーションである。航行時間と燃料消費が最小になるルートを計算し、データに基づいた航路選択手法を確立することを目指した。現在、○○船の航路は経験則で決定されており、ベテランの乗員の知識や勘に依存している。本研究のねらいは、氷と船のデータから航路決定を行うことで、乗員の経験に関係なく、適切な航路選択ができるようにすることである。具体的なプロセスとしては、私が○○に参加して得た船体や氷の観測データを活用し、船速・燃料消費量の計算式を構築して最適ルートを計算した。シミュレーションの結果、西側に大きく迂回するルートを選択すれば、航行時間と燃料の両方を約5割削減できることが示された。氷海域での航行は依然として経験則に頼る船舶が多いため、この成果は「△△」以外にも南極や北極で活動する船の運用に役立つと考えられる。
苦労した点・工夫した点(400 字)
本研究で苦労した点は、船の航行時間の推定がうまくいかなかった点である。具体的には、先行研究の手法をそのまま使用して航行時間を推定した場合、推定航行時間が実際の3分の1程度と短くなり、ギャップがあった。原因を調べると、分厚い氷に遭遇した際、船が一度後進し、再度突進するという「ラミング」と呼ばれる航行を先行研究で考慮できていないことが原因だと判明した。同じ距離でも、ラミングは通常航行の10倍ほどの時間を必要とするため、ラミングを考慮することで推定航行時間が長くなり、実際の航行時間に近づく。そこで、私はラミングを行っている海域の氷の特徴を割り出し、シミュレーション上でそのような氷に遭遇した際は、ラミングだと判定して航行時間を計算し直す工夫をした。この結果、ラミングを含めた船速・燃料消費予測を構築し、実際の航行時間との誤差を4割程度まで抑えることに成功した。
これまでに最も力を入れて取り組んできたことについて、具体的に教えて下さい 活動概要 概要(50 字)
○○隊で、氷の厚さを計測した活動
活動期間(例:2021 年 4 月~2024 年 3 月)
2023 年 11 月~2024 年 3 月
役割 海氷・船舶担当
取り組み内容(400 字)
○○隊での活動を述べる。私は氷や船の観測を担当する3人のチームの一員として、約4か月活動した。特に重要な任務が流氷の厚さを計測する任務だったが、猛吹雪に計測用センサーが破損し、現場でデータが取得できなくなった。それでも計測を諦められなかった私は、代替手法を開発するべく、日本の研究室には、過去の例を参考にセンサー以外の計測手法の調査を依頼した。また、自分一人の発想には限界があることから、より多くの代替案を出すため、船内で 10 人ほどの研究者・船員の方と、食事や飲み会の際にアイデアを出し合った。船が復路の航海を始めるまでの1カ月という時間的制約があったものの、最終的には、船が砕いて横倒しになった流氷をカメラで撮影する方法で新しい計測手法を時間内に確立できた。この手法を試したところ、元のセンサー並の精度を実現し、貴重なデータを日本に持ち帰ることができた。
これまでにチーム・仲間と協力し取り組んだことについて、具体的に教えて下さい(上記でチームについての話を記載された方は、本設問では別のエピソードでの記載をお願いいたします) 活動概要 概要(50 字)
△△隊で停船観測を行ったこと
活動期間 (例:2021 年 4 月~2024 年 3 月)
役割 海氷・船舶担当
取り組み内容(400 字)
私は△△隊で、船員や観測隊メンバーと協力し、停船観測を実現した。私は△△隊で流氷観測を担当し、氷を直接調査できる停船観測は重要だった。一方、私たちの船は他の船のレスキューをしていたため、燃料と時間を大きく消費し、観測断念の危機に陥った。私は停船観測を実現するため、観測隊や船員のメンバーを巻き込みつつ、停船観測の可能性を模索した。具体的には、船の作業に詳しいボースンを巻き込んで議論を重ね、船のすぐそばで、短時間の停船観測を行う案を作成した。さらに、停船観測を必要としていそうな他のチームに協力を仰ぎ、同時並行で作業ができるよう依頼を行った。最終的には、他チームと合同で、観測内容を絞った観測案を提示したことで、隊長や船長の承認も下りて停船観測ができるようになった。入念に計画したおかげで、短時間で必要な調査ができ、船の運航にも大きな影響を与えることなく、停船観測に成功した。
志望動機を教えて下さい
仕事をするうえで大切にしたい価値観や求める働き方・職場風土(200 字)
現場を重視する職場で働きたい。そう考える理由は、現場で得られる情報量が圧倒的だと感じてきたからである。私は研究で船の航路シミュレーションをしていたが、実際に船に乗って現場でデータを取得した。その際、乗組員の方とお話をし、自分の目で航行の様子を見る中で、机上で得られる情報がいかに少なかったか、実感した。だからこそ、現場での経験や現場の方々との対話を重視する職場で、現場の情報を吸い上げながら働きたい。
トヨタでやりたいこと、それに繋がる強み・能力・経験(300 字)
私がトヨタでやりたいことは2点ある。1点目は、脱炭素に貢献すること、2点目は、「車」という社会インフラを支える存在になることである。具体的には、プラント・環境技術を担当したい。それに繋がる私の強みとして、環境技術に関する知識や、行動力が挙げられる。環境技術については、私は大学・大学院で○○や△△について学んできた。また、私が志望するプラント・環境技術は関わる方々が幅広く、社内の様々な部門や地域の方々など調整をしていく必要がある。だからこそ、私の現場での行動力や日本人・外国人問わずコミュニケーションをしてきた経験が、幅広い関係者との協働に役立つと考える。